PEARの考え方

開発途上国の住民に本当の豊かさを

CO2などの温室効果ガス(GHGs: Greenhouse Gases)削減プロジェクトと言ってもさまざまなものがあります。GHG削減の取り組み自体はすばらしいことなのですが、勢い、「削減さえすればよい」という傾向を生んでいる側面も否定できません。温室効果ガス削減という点だけからは、それでいいのですが、少し違和感が残ります。それは、地球温暖化問題が単なる環境問題に留まらず、南北問題とも密接に関係する「持続可能な社会」実現のための重要な要素であるからです。

たとえば、開発途上国の化学工場でGHG削減プロジェクトをおこなう場合、比較的安価で大量の削減が可能です。経済原理からは推奨されるプロジェクトですし、現地企業の一部の人も巨額の収入を得るわけです。しかし、それが地元住民に還元されるか…ということになると、あまり期待できないのが現実なのです。

現在、京都議定書のCDMに代表されるGHG削減プロジェクトにおいては、貧困地域のプロジェクト、一般家庭や住民が直接便益を受けるプロジェクトなどは、きわめて少ないのが現実です。これは、GHG削減「以外」の便益が、市場で評価されていないことが原因です。逆に言えば、そのような便益がきちんと「評価」されるのであれば、地域住民に還元可能なプロジェクトが実現する可能性が出てきます。

PEARは、GHGを削減さえすればどんなプロジェクトでもよいとは考えていません。PEARはみなさまと共有できた「協働」という考え方を通して、地球温暖化対策のほかに、プロジェクト実施国の住民の生活が豊かになるような持続可能な開発という価値を持たせます。実施するCO2削減プロジェクトを選ぶ際に、経済効率やコストではなく、現地住民の生活や、生態系まで含めてメリットがあるものを優先します。

また、CDMにおいて、日本からホスト途上国へ技術移転がきわめて少ないという実態を踏まえ、PEARは、日本の、特に中小企業の技術が開発途上国に活用される機会も生み出したいと考えています。

実際、資金が付かないために埋もれたままになっているすばらしいこの種のプロジェクトが、開発途上国にはたくさんあります。プロジェクト実施国の住民が、CO2削減と同時に、生活レベルの向上を実現する。これが、同じひとつの地球上で暮らす人間同士が協力した本当の意味で持続的発展のための地球温暖化対策と言えるのではないでしょうか? すくなくとも、PEARの考え方は、そのようなところから始まっています。