想定されるプロジェクトタイプ例

PEARでは、さまざまな持続可能な発展に資するプロジェクト、日本からの技術移転があるプロジェクトを実施していきます。以下はそのタイプ例です。これだけでなく、他にも多くのタイプを想定しています。

バイオガス・マイクロダイジェスター

貧困農村において、厨房用エネルギーとして(時には照明用エネルギーとして)、家畜の排泄物を用いたバイオガスを用いようとするものです。それによって、農家は、石炭(練炭)や薪炭材を使わなくてもすむようになります。一家庭で2トン程度の削減が見込まれます。

バイオガスはメタンが主ですので、屋内大気汚染がなくなり、良質の液肥が得られるという便益もあります。また、練炭購入費や、薪炭材のための森林伐採や運搬にともなう過酷な労働の回避も実現できますし、森林資源や生態系保全にも有効です。国家レベルでも、エネルギー自立型社会への効果が期待できます。

このようにすばらしい技術なのですが、現地の農家は貧しいため、自力での導入が難しい状況なのです。中国などでは、政府補助金(導入コストの1/3程度を補助)がありますが、国の予算も限られているため、導入できない農家が大半なのが実態です。

その補助金相当分を、PEARの資金でまかなうことを考えています。PEARは、このタイプのプロジェクトを、中国を中心に、広範囲でおこなう予定です。中国の重慶市、湖南省、広西チワン自治区の貧困農村地域において実施予定で、中国政府の農業部や科学技術部からの協力も受けられることになっています。資金に余裕ができた場合、図書館や100ドルラップトップ(PC)などの寄贈も考えています。

バイオガス・マイクロダイジェスター

製品CDM

電球型蛍光灯は、同じ明るさの電球(白熱灯)の1/5程度しかエネルギーを消費しません。60Wの電球を電球型蛍光灯に置き換えれば、寿命(6000時間とします)のあいだに、300 kWh弱の省電力効果があります。中国などでは、0.3トンのCO2排出削減効果に相当します。

使う側にしても電気代の節約になり、電球の5倍程度以上の寿命もありますので、とてもメリットのあることなのですが、なかなか普及しないというのが実情です。

これに、PEARの資金を追加投入し、補助金のように使うことで、電球型蛍光灯への転換を推進したいと考えます。これを、プログラムとして大量におこなうことで、相当量のCO2削減を実現できます。

PEARの松尾は、日本電機工業会(JEMA)のこのタイプのプロジェクトに、デザイン段階からかかわっており、途上国の都市域住民への普及を目指したいと思っています(PEARだけがJEMAのスキームに乗るわけではありません)。

製品CDM

炭鉱メタンガス利用

中国などの産炭国では、炭鉱のメタンガス爆発などで、年間数千人もの方々が亡くなっています。彼らはわずかに高い給料をもらうため、過酷で危険な労働環境下で働いています。
こうした危険な炭鉱メタンを発電やガス供給システムの形で利用することで、炭鉱メタンの安全対策などにも貢献できるプロジェクトがあります。PEARでは、中国の炭鉱でほぼ契約が成立しているプロジェクトが1件あります。

炭鉱メタンガス利用

バイオディーゼル製造

PEARの関係する日本の会社サンケアフューエルス(http://www.suncarefuels.com/)は、食料事情に影響を与えない、ひまわりを用いたバイオディーゼル燃料製造技術を持っています。この会社は、単にバイオディーゼルを製造するだけでなく、ひまわり栽培委託農家や周辺住民の便益となるコアの部分としてバイオディーゼル製造を位置づけており、バイオリファイナリー構想の下、地域開発のトリガーとなることを計画しています。

バイオディーゼル製造

バイオディーゼル製造2

工場省エネ

工場の熱利用に関して、世界に冠たる技術を有する前川製作所(http://www.mayekawa.co.jp/)は、その技術の海外展開の手段のひとつとしてCDMを位置づけています。ビール工場など熱を比較的多く消費する工場におけるプロジェクトは簡単に思われがちですが、現地企業が省エネに興味がない(生産増強の方に興味がある)、いい技術に巡り会えないなどの理由で、省エネを実施できない状況を打破しようと、彼らはがんばっています。

工場省エネ

廃棄物コンポスト化

カワシマ(http://www.kawashima.jp/)は、微生物を活用した有機性廃棄物や廃液をコンポスト化する技術を持っています。CDMの世界では廃棄物や廃液からのメタンをフレアするというタイプのプロジェクトが多いのですが、コンポスト化することは付加的な便益を生みます。コンポストの中でも、家庭レベルで実施するようなプロジェクトにもPEARは注目しています。インドネシアのある都市では、それによってコミュニティーの調和と発展が実現した例などがあります。パイロット段階から、大規模でおこなっていきたいと考えます。

廃棄物コンポスト化

無焼成煉瓦製造

インドなどでは、いわゆる煉瓦カーストの人たちが非常に劣悪な労働環境の下で働いています。亀井製陶(http://www.eco-angels.com/)は、そのような人たちに対し、焼成プロセスの必要としない煉瓦製造工場を建設し、そこで働いてもらうというプロジェクトを考えています。もちろん、製品としての煉瓦の品質も格段によくなります。

インドのレンガ製造プロセス

再生可能エネルギー

地域に密着した中小規模水力などのプロジェクトは、通常のビジネススキームで動くものもあれば、そうでないものもあります。PEARでは、後者をCDMというスキームを用いることで実現化していきます。

再生可能エネルギー

植林・森林保全プロジェクト

国際環境NGOであり、自然生態系と人びとの生活との関わりを重視するコンザベーション・インターナショナル(http://www.conservation.or.jp/)や、バードライフ(http://www.birdlife-asia.org/)は、科学的背景をきちんと有した上で、森林を守ったり再生したりする活動を行っており、そのツールとしてCDMなどを活用しようとしています。京都議定書のルール上の問題で実施されにくいこのようなプロジェクトを、PEARは他の持続可能性の高いCDMプロジェクトと同様に扱い、実現させていきたいと考えています。

植林・森林保全プロジェクト